バンタンテックフォードアカデミーでは、実際の現場で活躍されている方をお招きした特別授業を開催しています。
その中でも今授業は「スタートアップやベンチャー企業」に着目したものです。
社会に一番近いスクールを目指しているバンタン。
「生徒たちにスクールアップやベンチャーのリーダーが持つ熱量を感じて欲しい。
そしてもし、彼らのビジョンに共感できるのであれば、積極的にプロジェクトに参加して欲しい」という校舎長の想いから始まりました。
今回も特別授業を受けるため、教室に集合したテック生。私もその内の一人です。
第三回目となる今回は、アプリケーション「LikePay」を運営している株式会社 LikePay 代表取締役社長「Mr. lgor Voroshilov (ヴォロシオフ・イーゴリさん)」にお越し頂きました。
▶講演者プロフィール
イーゴリ・ヴォロシオフ(Igor Voroshilov)
2015年留学生として東京大学大学院に在籍。
2018年在学中に自身の体験から「人のつながりをお店の広告に活かせないか」「SNSを使って新しいサービスができないか」と考え、兄のセルゲイ氏とともにLike Payを創業
<Like Pay>
https://www.likepay.co/about
▶ならではの着眼点
今回は現在運営されているアプリケーションの開発経緯から授業が始まったのですが、イーゴリさんの「着眼点の力」を垣間見ました。
「LikePay」は「SNS」を活用したサービスです。
しかしアイデアの発端は「日本の美容院」でした。
ロシア出身であり、モスクワ大学で国際系の勉強をされていたイーゴリさん。初めて日本を訪れたきっかけは留学です。
当時の思い出を嬉々として語って下さり、私たち生徒も楽しく聞かせて頂きました。
ある日、初めて日本の美容院を利用した時、その技術力の高さに感動して多くの知人に宣伝したイーゴリさん。
沢山の人に足を運んでもらえて喜んだお店の人は「常連」として様々なサービスをしてくれたそうです。
この時イーゴリさんは「繋がりの連鎖」という体験に感激して、お店のために恩返しがしたいと思うようになりました。
「宣伝はした。けれどこれだけ人を呼ぶのに5年もかかった。これをもっと効率的に出来ないだろうか」
そこで着目したのがの「SNS」でした。
宣伝手段としては馴染み深いですが、凄いと思ったところが「日本人のSNSの特徴」に着眼したことです。
ロシアの SNS は旅先などの写真が多いのに対し、日本は食べ物の写真を投稿することが多い。
それからもう一つ、「SNS で宣伝したら割り引きします」というキャンペーンが上手く活きていないことにも気が付きました。
「これらを好転させて、お店のためにも利用者のためにもなるサービスを作ろう」
開発されたのが「LikePay」。
イーゴリさんならではの視点からの発案に、授業を受けながら感嘆しました。
▶お店とSNSをセットで楽しむサービス『LikePay』!!
そんな開発経緯のある「LikePay」は、「お気に入りのお店を宣伝をして、貰ったいいねの数だけ割引サービスが受けられる」アプリケーションです。
使い方も私たちが普段使っている SNS の要領で利用できます。
行きたいお店を検索。
お店の商品の写真と一緒に、指定のハッシュタグをつけて投稿。
「いいねの数」だけ割引クーポンと交換可能に。
あとはお店にその画面を提示すれば使用できます。
お店側は拡散性の高い SNS で自然に宣伝してもらい、利用者側は SNS に投稿するだけで割引クーポンを手に入れられる。
互いが利益を得られ、尚且つ効率的に行える、画期的な新サービスです。
そして、このアプリの楽しい所に「一般人も簡単にインフルエンサーになれる」という点があります。
他の SNS では食事の写真を投稿しても「いいね」はなかなか貰えません。
しかし LikePay では、アプリ機能の一つがいいね集めであること、それから「いいねを貰うほど現実で利益が出る」という仕組みであること。
これらから「いいね」を貰いやすい環境という特徴があります。
「見てもらえる」と思えば写真の腕がなりますよね。
お店とSNSをセットで楽しむことが出来る、SNSの宣伝に自由度を上乗せしています。
▶どこまでも挑戦する行動力
着眼点もですが、更に凄いと感じたのが「行動力」です。
日本に留学して大学院に進み、
夢を実現するために会社を設立。
自社開発の経験を経て、同じ境遇の人がより開発しやすい環境を提供したい想いからスタートアップの支援を実施。
コミュニティの輪を広げながら「テック系」「まちづくり」「宇宙エネルギー」にも興味を示しています。
「人と違うことがしたい。自分にしかできないことをしたい。だから僕はやります」
授業を聞きながら、心の芯の太さが並大抵ではないなと感じました。
その結果からくる行動力であり、視野の広さ、思慮深さ、そして何にでも興味を示す好奇心へ繋がっているように思いました。
「沢山活動した方が楽しいし、チャレンジして生きたい」
自分の感情と向き合い、素直に行動して実現。
やりたいことを語れる人は大勢いますが、継続して実現する人はなかなかいません。
実際、起業のために行ったことを教えて頂いたのですが、本当に多くのことを実践されていました。
沢山のイベントに参加して人脈を築き、相談できる場所には進んで赴き、広報活動も積極的に行い続けていました。
一つのエピソードとして自社の Web サイトがあります。
実はこれ、当時 Web 経験のないイーゴリさん自身がコーディングして、一週間で作り上げたものです。
サイトも見やすく綺麗なので是非一度ご覧になってみて下さい。
やりたいことを実現するために「知らない世界へと飛び込む」行動力、見習いたいと思いました。
▶まとめ
イーゴリさんの魅力を一言で表すなら「バイタリティに満ち溢れている」です。
やりたいことを話す時の目は輝いていて「やりたいからやっています」という意思が伝わってくるようでした。
そして実現させて新しいことに挑戦し続けています。
それから「チームは家族みたいなものだ」という言葉も印象深かったです。
イーゴリさんの人柄が表れているように思いました。
そんなイーゴリさんが代表を務める「株式会社LikePay」では、共に活動するインターン生を募集しています。
自社サイトに「共感で動く世界へ」とあるように、人との繋がりを大切にした仕組みを作っています。
テックフォードアカデミーでは今後も特別授業を開催していきます。
スタートアップやベンチャー企業の方々にとっては、初期段階のチームビルディングに必要な人材を集めるという意味でも貴重な機会の提供場所にもなります。
経験談を通して感じた行動力ある姿に、力をもらった授業でした。
次回はどんな方にお越し頂くのか、楽しみにしています!